シックハウスを巡る動き


(有)岩手ハウスサービス 安藤敏樹

 シックハウス症候群という住宅の病気が取りざたされている。あたかも住宅の高気密化が原因のように。が、はたしてそれは本当だろうか。
 マスコミでは、残念なことに、高断熱・高気密住宅がすべて悪いかのように書かれた記事も多い。そのためか、住宅建築の相談に来る施主も、最近はほとんどが化学物質について訪ねてくるのである。
高断熱・高気密住宅の普及、それも一因ではあると思う。
しかし、本当のところは、施工側の工事上の問題がほとんどのように思われる。
 見よう見まねで高気密化はしたものの、換気設備もつけない手抜きが原因であったり、マンションのようなRC(鉄筋コンクリート)構造の建物で、ある程度気密になっていても換気設備がないとなど…。
 住宅業界の反応は早いもので、今出回っているクロスの糊などは、すでにホルムアルデヒド(ホルマリン)の入っていないものがほとんどだ。合板やフロアなども、低ホルマリンのものが続々と出てきている。
 当社では、竣工時にホルムアルデヒドの濃度測定をし、報告書を施主に渡している。実際には、居間や各個室、押入れなどは、ほとんど無反応。台所のキッチン収納の中は、微量だが反応が出る。それでも、扉を数日開け放しておくと、いずれ飛散して出なくなる程度のものだ。
 私自身は、最近の新建材ならば、それほどシックハウスを心配する必要はないのではないかと思っている。ただ、岩手は林産県である。青森のヒバ、秋田の杉に負けない南部赤松がある。そういう意味では、フロアや壁などに、天然素材を使った家づくりを考えてみてもよいかもしれないと思う。

 ムク材は、コスト高かもしれないが、住宅機器や設備を過剰なものにしなければ、それほど割高にはならない。天然素材のものは手入れを怠らなければ、新建材より長持ちする。
 天然素材の使用を決めてから、予算に合った住宅機器をそろえる。そんな方法で建築を考えてみるのもいいと思う。
(いわての住まい 1997年冬1号掲載)


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